今度は温泉に行こうということになり、キャドワンから280キロ飛ばしてセイレーンという名の町へ。
イラン人の運転は出鱈目。アジアやアフリカでも殺人的な運転はいくらも経験してきたが、それらは、都市の中での、スピードが出せない状態でのひしめき合いのようなもの。
しかしイランではへたに道の状態が良かったりするから、みなカッ飛ばす。その上での出鱈目運転だから実に危ない。バイクも車も、よくもまあ無傷で走り抜けたもだと我ながら感心する。ちなみに、イランではガソリン1リットル40円。
着いた町が、これまた人だらけ。
中央分離帯の緑地帯でごろ寝する家族や、空き地にテントを張る人々で、町全体がまるで難民キャンプのようになっている。その雑踏とエネルギーはもの凄い。
これが、イランの庶民の夏休みの過ごし方らしいが、日本だって、私が子供だった頃はこんな感じだった。だから、どこか懐かしくもある。
ともかく、イランの道端の人々の好奇心は強く、旅人をもてなそうとするホスピタリティーにも溢れている。
メヘディー曰く、「そこがイラン人の一番いいとこ。イスラム革命以降の、特に今の政府のせいで色々誤解されているけど、本当のイラン人の良さを世界の人に知ってほしい」
ともかく、一同元気で意気も盛ん。
温泉に入って疲れを癒し、明日は500キロ走ってカスピ海を目指す。
神のご加護を、と我々は言わない。自分の身は自分で守るし、自分の行く道は自分で決める。
・・・・・なーんて強がり言いながら、明日に備えてもう寝ます。
今、午後10時。
コーランの声より、遊ぶ子供達の声の方が大きいのが救いだ。