ユーラシア大陸横断行     Back Next
           
       
               
  旅日記
9/8
ジャララバッド→ カザルマン
曇り

 

ジャララバッドからカザルマンまでの160q。距離は短いが、その内110qが土と石のオフロード。この旅初めての、荒れた山道が続く。
辺境の旅の専門家、「道祖神」の菊地でさえ、「大丈夫ですか?」と言っていたルートだ。

見るだけなら美しいだろう峠を、それこそ這うように進む
しかし少しでも操作を誤れば奈落の底に真っ逆さまだ

9時出発。道は少しづつ上り始める。
最初の集落では、向日葵の種の収穫と、それを干すのに大忙しの様子。突然現れた我々のバイクと車に目を丸くしながらも、今はそれどころではないといった顔をしている。

さらに上ると、深い谷間を流れる川沿いに遊牧民の移動式住居、ユルタが現れ始めた。
ユルタはキルギスの伝統的移動式住居だが、その始まりはジンギスカンが持ち込んだテントである。中国ではこれを包(パオ)と呼び、モンゴルではゲルと呼ぶ。ユルタの天窓の形がデザイン化されて国旗になっているほど、キルギスは遊牧の民の土地なのである。

で、遊牧の人々を訪ねると、羊とじゃがいもを煮込んだものやらナンやらヨーグルトやらで歓待されてしまった。その上、少年が馬に鞍をつけてくれた。これでは乗らない訳にいかないとばかりに乗馬を楽しんだ私だった。
ちなみに、亡き父に仕込まれたお陰で私は馬に乗れる。多分、バイクよりずっと旨いと思う。

いよいよ道はダートになり、急角度のカーブを繰り返しながらグイグイ上っていく。気がつくと、あたりの斜面には雪がちらほら。

登り切ったコルダマ峠、3070m。
あたりの雪は万年雪ではなく、ごく最近降ったもの。冗談でなく、3800mのトルガルト峠が心配になってきた。そこを越えられないとすると、ルートも旅程も根本的に考え直さねばならなくなる。

午後5時、淋しく何もない集落、カザルマン着。
撮影したり、寄り道しながらとはいえ、160qを走るのに8時間かかってしまった計算になる。

少年が教えてくれたただ1軒の宿、一泊1200円、夕食が400円。しかし、意外なことにヨーロッパやニュージーランドからのトレッカーなどが6人いて部屋がなく、宿の夫婦の母屋で寝ることに。
英語のできるおかみさん曰く、「この15日間誰も来なかったのに、今日に限って10人も来るとはね」。
結局、薄井、宮崎、上田が夫婦の寝室に、私が台所で寝ることに。

真夜中、目が覚めて外に出ると、月の光で白く光る雲が風に飛んでゆき、遠くから犬たちの遠吠えが聞こえてきた。
フと、随分遠くまで来てしまったと思い、東京の夜を思い出したりする。

 

 
 

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Photo&Caption
Yuji Miyazaki

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