ユーラシア大陸横断行     Back Next
           
       
               
  旅日記
10/13
キャフタ → ウランウデ(ブリヤート共和国)
晴れ

 

朝、霜が降りて、世界が粉砂糖でコーティングされたようになっている。 ここでもまた、寒風の中を学校に向かう子供達。そのけなげさと逞しさは、モンゴルもロシアも同じだ。

走り出してしばらくすると、平原が終わって針葉樹林に被われた山並みを縫う道に変わった。1000メートルほどの低い山が殆どだが、この先、この山塊地帯を縫って進むルートが3000キロ近く続くことになる。さらに北に向かうし、気温はどんどん下がってくるだろう。願うのは、雪など降らぬことである。シベリア鉄道に沿って北東に向かう、この道しかウラジオストックに辿り着くルートはないのだから、何があっても前に進むしかないのだが。

川を何本も渡る。 そこには決まって霧が発生していて、白濁した大気の中に、霜に覆われた白く冷たい世界が幽霊のように広がる光景は幻想的で怪奇的。クリスマスカードというよりホラー映画のポスターみたいだ。
思わずバイクを止めて写真など撮っていると、彼方から近づいてくる二つのライト。例の、BMW2人組に違いない。2人も私に気づき、道の端にバイクを止める。旅するライダー同士の、阿吽の呼吸である。
息も凍る路上で、しばし情報交換。彼らは1時間でロシア国境を突破したとか。私達が10時間かかったことを知ると、肩を竦めて苦笑い。ま、そんなものよと軽くいなされてしまった。 これから少し北上した後、西に向かい、どこぞの町でビザの延長手続きをするという。互いの無事を祈り合い、再会を約束して別れる。
この寒さの中、キャンプしながら進む彼らは強い。そして、強さや経験をひけらかさないところが本物である。ハンパな奴に限って、ちんけな経験をひけらかしたり、安いプライドに金縛りになっていたりするのは、何も旅の中だけのことではない。普通の暮らしに戻っても、そういうみっともないことだけはすまいと自分を戒めながら、2人組の轍の跡を追って出発する。路上で出会う旅人たちは教師であり、旅は永遠の学校なのである。

着いたウランウデの町は、ブリヤード共和国の首都。「ソビエト広場」の巨大なレーニンの頭像が、ここも嘗てはソ連の一部だったことを思い出させる。
美しい町で、車の数は多いが運転マナーがいいから走っていても疲れない。信号も守らなければ、ウインカーの存在理由すら知らない馬鹿共が、自分だけ良ければいいとクラクション鳴らして突っ込んでくる何処ぞの国とは大違い。ま、これが当たり前なんだけどね。

その夜、久し振りにバスタブに浸かって手足を伸ばす。
クラクションも罵声も怒声も聞こえてこない静かな夜。
あの2人組は、今頃どこでキャンプしているのだろう・・・・。

 

今日のランチは中国製のカップ麺。
味に奥深さがない所は我慢我慢・・・
古い教会の前で出発の準備をする「61歳」の戸井。この旅最後の国、ロシアはどんな素顔を見せてくれるのだろうか・・・ 夜中、あまりに外が騒がしいので怒鳴ってやろうと窓の外を覗いてみたら・・・なんとホテル裏の家が燃えてました。ケガ人がないのは幸いですが本当に恐ろしい光景でした。

 

 
 

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Yuji Miyazaki

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