午前8時出発。
昼すぎ、モケグア近くのコンデ谷の食堂でクイ(ハツカネズミの大きいみたいなヤツ)の唐揚げの昼食をとろうとしていると、近くの小学校の校長先生がやって来て学校に来てくれと言う。何でも、今日は「母の日」みたいな日で、子供も母親も集まっているから招待するというのである。地震で潰れた学校を自分たちの手で再建させたと校長先生は力説する。中々パワーのあるオバさんである。
コンデ谷小学校
午後4時、ペルーより出国に1時間。
33kmの国境緩衝地帯を走ってチリ側国境へ。
入国に1時間。しかし、チリの役人たちのやることは理に適っていて、手続きも早い。ラテンアメリカで賄賂が効かないのはチリとキューバだけである。
チリは、私が好きな国の一つ。その割に、殆ど知られていないのが残念だ。
チリは、本当にいいよ、人間が。
チリ国境
午後七時半、闇の中にオレンジ色のナトリウム灯が星のように瞬くアリカの町へ入る。
ガイドブック「ロンリープラネット」で捜した一泊二〇$の宿へ。老夫婦が経営する安宿だが、さり気ないもてなしが嬉しい。
チリ人は決して派手やかではないが、実に誇り高くて、そのくせ愛くるしいのである。チリ人で、今までに嫌な奴と会ったことがない。