アリカの町を出ると、すぐに巨大な砂の山が左右から迫ってきた。数百メートルの巨大な砂の山を道は上り、そして谷底のオアシスに向かって下る。それを繰り返しながら陽炎の中へ延びてゆく。世界最大の海岸砂漠、アタカマが始まったのだ。この広さと大きさ、この静けさと清涼さ──バイクだからこそ体感できるダイナミズムである。
途中、砂漠の中の食堂で昼食。太ったお婆ちゃんのスープと、肉とジャガイモの炒めもので満腹。こんな所、トラックの運ちゃんしか来ない。

サピーガの食堂

食事中の戸井と四位
チリのガイドブックで捜したキャンプ場へ着くが、改装中とかで閉鎖されていた。その内、レンジャーの家族が現れて、構わないから泊まれと言ってくれる。こういうホスピタリティが嬉しい。
満天の星の中にクッキリ光るのは南十字星。昼は灼けるように暑いが、夜は5℃までに冷え込む。私たちは砂漠の中にいる。