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エスケル
→ペリト・モレノ(550km) |
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どこまでも一直線の道。地平線の遥か彼方の空だけが青く抜けている。そこまで行けば晴れているのだが、走れど走れど辿り着かない。結局、1時間近く走ってやっと太陽が顔を出す。
綿を千切ったような幾万の雲。高い所にある雲は偏西風(ジェットストリーム)のせいで糸を引いたように流れている。

擦れ違い様に挨拶を交わすこともバイクでの旅の楽しみ
午後6時、パタゴニアの日没。
西の地平線に太陽が沈むと同時に東から銀色の月が昇ってくる。地平線のあたりを染めるピンク色が見る間に広がり、やがて空全体がピンク色に燃えて雲が金色に輝き始める。
何度体験してもパタゴニアの夕焼けは凄絶だ。
見はるだし限り無人の、音も匂いもない世界の只中で呆けるように空を見続ける。冬のパタゴニアは死の世界だ。生命の温もりの欠片もない。そして、凍るように美しい。

パタゴニアの夕焼け