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エル・カラファテ→
コマンダンテ・ルイス・ピエドラブエナ(470km) |
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午前10時積み込み。路面の凍結が溶けるのを待って11時出発。
結局、アルゼンチン側の最南端の町、リオ・ガジェーゴスの近くまで260kmを南下。そこを、この旅最南端地点と決めて折り返す。マゼラン海峡は目と鼻の先なのに、残念だ。トラック・ドライバーたちも、この先はもうやめろと口を揃えて言う。
途中、標高が1000mまで上がって、あたり一面雪と氷の世界になった。氷を砕いたトラックの轍の跡を踏んでゾロゾロと進む。
一面に粉砂糖をまぶしたような360°の原野。透明で美しいパノラマだが、風は切るように冷たい。
人間を拒絶するパタゴニアの冬から逃げるように走り続ける。

雪中撮影 「風と氷」のパタゴニア地域の冬は厳しい
午後七時。暗くなっても町らしい町はなく、ガソリンスタンド脇のモーテルに転がり込む。
どうにかアンデスを越えてチリからアルゼンチンに入り、今また、どうにか雪と氷から逃れて大西洋側に出ることができた。運が悪いんだかいいんだか分からない。
ともかく、これから北上を始めれば、日、1日と状況は良くなっていくはずだ。少なくとも、昨日よりは今日の方がマシだ──そう考えて、1日、1日前に進むしかない。
悲観主義者には、こういう旅はできないだろう。
少しホッとし、ワインの酔いも手伝って爆睡。