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ブエノス・アイレス→
フェデラシオン(500km) |
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六本木と別れて出発しようとしていたら、ホテルのフロントのおっさんが飛んできた。手にしていた新聞を私に渡し、「これを持っていけ」と言う。
新聞は、どれも1面から昨夜の試合一色。こんな時にここに居たことを忘れないように、今日の新聞を記念に持ってゆけとおっさんは言うのだった。
そして、「いい旅を」とひと言。
いいな、こういう大人たちは。
ブエノスの雑踏から離れて大河ラプラタに沿って北上。やがて、道はラプラタの支流、ウルグアイ川と共に北に延びてゆく。
途中の食堂で休んでいると、ブラジルの方から来たトラックドライバーが、「クレスポの名前を言うなよ」と半分冗談混じりに言う。
クレスポは、昨夜の試合で一点取ったアルゼンチン選手だ。サッカーが暮らしの中に根づいている。そして、ブラジル国境は近い。
北上している14号線はアルゼンチンとブラジルを結ぶ幹線道路。巨大なトラックたちが両国を結んでコンボイのように走っている。しばらくは、トラックたちの間を縫っての走りが続くだろう。
街道筋の、ガソリンスタンド脇のモーテル、2人部屋1泊18$。隣接する食堂の焼肉が旨く、モーテルを経営している母娘は妙に色っぽい。
蚊が飛び始め、草むらからは虫の声。だんだんとブラジルが近づいていることを肌で感じる。

フェデラシオンの宿