今日から、ブラジル内陸部で最も荒れている土地、ゴイアス州に入る。14年前にも走ったが、ここいらの道はひどい。その後も、少しも改善されていないらしい。
晴れていたのは朝方だけで、昼近くにゴイアス州に入ってから、また断続的スコールが始まる。そして、つぎはぎだらけ、穴だらけの悪路が始まった。
道は細く、曲がりくねりながらアップダウンを繰り返す。路面は落とし穴のような穴だらけで、擦れ違うトラックはシャワーのような水しぶきを浴びせてくる。

ぬかるんだ赤い道を這い進む
暗くなり、ヘトヘトになって道端の宿に転がり込む。ベッド以外に何もない、最悪の宿だ。それでも無事にここまで辿り着けたことを良しとしよう。
宿にはもちろん食堂もないので、近くのガソリンスタンド脇の「シュラスケリア」へ。ここで、ある幸運が私たちを待っていた。
1人500円の夕食を終えて外に出ると、短パンに上半身裸の小肥り親父が声をかけてきた。
で、彼が抜け道を教えてくれた。
「地図通りのメインルートを行ったら、車のネジが全部なくなるぞ。ついでに頭のネジもな」
トラックドライバーの忠告に従い、明日からは抜け道を選んで走ることに決める。こういう出会いが、次の幸運を呼んでくれることを信じて・・・。
雨の日の次には晴れの日が来るものだ。