越境者通信～南米大陸１周行旅日記～

７／８

クールー→
サン・ローラン・ドゥ・マドニー
（200km）

　スリナム国境に向かって走る。道の状態は良好だが、家も人影もないのは同じ。なんとも退屈な風景が続く。
　しかしそれでも、スリナム国境に近づくにつれて、僅かだが民家らしきものと、掛け小屋にパイナップルやかぼちゃを並べたもの売りが沿道に現れ始める。数も少ないし活気もないが、それでも今までよりはマシだ。仏領ギアナに入って初めて、人の営みのようなものを感じる。

　午前１１時にマロニー着。妙に小綺麗で、しかし、やはり活気のない町。

サン・ローラン・ドゥ・マロニーの街

　日陰で３４℃。汗がしたたり落ちる。今日が、この旅で最も暑い日かも。
　パタゴニアの寒さに戻りたくはないが、しかし暑さもこれ以上になると体に堪えてくるだろう。

　目の具合、相変わらずよくならず。抗生物質を飲み、抗菌目薬をさしているのに、充血がひどく、目の中がゴロゴロして粘液状の涙が止まらない。特に、酒を飲むとひどくなる。明日から酒を止めよう。
　－－こんな所まで来て、結局、１番気になるのは自分の体や旅費のこと。旅の現実なんて、そんなところだ。

　明日、これもまた全く未知の国、スリナムへ入る。
　一体、どんな国なのだろう。

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Photos by Y. Miyazaki