9時に出発してジョージタウンへ。

ガイアナの首都、ジョージタウンにある木造建築の教会
古い木造建築を撮影していると、黒人の巨漢が何やら言ってきた。車を駐めた場所が違法で、警察に来いと言う。罰金は50US$だが、自分が何とかしてやってもいいというようなことを言う。ゴロつきなことは一見して分かるが、知り合いの一人もおらず、この国の実状を何も知らない私たちにはヘタに抵抗することもできない。仕方なく、ホセが30US$を手渡すと、「気をつけてな」とか何とか言ってヘラヘラ笑いながら歩いていった。多分、本当に警官なのだろう。
こんな町、さっさとおさらばしようぜと、私たちはジョージタウンを後に一路西へ。
ジョージタウンからリンデンまでの100kmは快適な舗装路だったが、その先から赤土のダートに変わった。深い緑のジャングルを分けて、所々水の溜まった土の道がうねうねと延びてゆく。人気がなくなり、数十キロに1カ所ほどの割り合いでインディオやインド人の淋しい集落が現れる。
暗くなる前にキャンプ地を捜そうと、道端の食堂に立ち寄る。目の前が広い土のグランドになっていて、そこに勝手にキャンプしろとインド人の親父が言う。
あたりは真っ暗闇。時々、遠くの空が稲光りで白く光る。明日、雨が降らねばいいのだが。
もの凄い湿気だ。虫の音以外に音はなく、向かいの食堂の灯が灯台の灯のように暗闇の中で光っている。
まるで、夜の海の只中へ放り出されたようだ。