南米大陸1周         Next
   
 
     
計画概要

時期:2005年4月〜8月(117日間)
走行距離:22,600キロ
メンバー:4名(途中、1名交代)
バイク:HONDAアフリカツイン(750cc)
サポートカー:HONDA MDX


5つの大陸を、もう一度バイクでじっくり旅し直そうーーそう心に決めた1997年、私は、まだ48歳だった。55歳までには計画を終えるつもりだったが、56歳の今になっても、まだ2つの大陸の旅が残っている有様だ。ほんと、人生は計画どおりに運ばない。
でも、まあいいではないか。夢を諦めたわけではないのだ。 問題はスピードではない。自分の夢を、自分の旅をやり通せるかどうかだーーと、私は自分に言い聞かせてきた。 そして、やっと、四大陸目の南米である。 そう、夢は叶えるためにあるのだ。

予定走行距離3万キロ。4ヶ月間の道行く旅の伴侶は、頼もしくも愛くるしいホンダ・アフリカツイン。 1997年の北米大陸一周に使った同じマシンだから感慨もひとしお。
8年前に共に走った紅い馬を「ストラーダ」のスタッフが駿馬に甦らせ、ホンダのスタッフが、その頼もしい胴に白い翼を描いて命を吹き込んでくれた。
白い翼を持った紅い馬に跨って、私は遥かなる南の大地へと向かうのだ。
しかも、この馬には、「スタンレー電気」のHIDランプの目が入っている。これなら、どんなにラフでタフな道も、果てしなく続く漆黒の原野も恐くはない。
頼もしい心臓の鼓動を身体に感じながら、私は、ただ熱風の中へ突っ込んでゆけばいい。旅するために生まれた紅い馬が、愛と葛藤が渦巻き、音楽と色彩が氾濫する大陸へと誘ってくれるだろう。

ホンダのアフリカツインと、サポートカーのMDXが旅の頼りである。
私の夢を自分の夢と重ね合わせ、私の背中を押してくれる人々の想いが心の支えである。
綺麗ごとでもオベンチャラでもない。56歳にもなれば、他人の助けとサポートなしに夢を叶えることができないことくらい知っている。

だからこそ、私は旅をする。
だからこそ、私は夢を諦めない。

目を閉じると、南からの甘い風を感じる。あとは地を蹴るだけだ。白い翼を持った紅い馬と共に。

2005年 戸井十月